胡麻の豆知識

いくつかの胡麻の豆知識があります

収穫したての胡麻

荏胡麻(えごま)はなんと胡麻ではありません。 荏胡麻というものがありますが、実はこの荏胡麻は胡麻科ではなくシソ科の植物だそうですから驚きです。
名前からして胡麻の仲間のようですが全く胡麻とは関係の無い、胡麻科ではない植物なのです。 荏胡麻の風味が胡麻に似ていたことからこの名前が付いたようですが、昔は胡麻も高価な食材でしたので、手の届かない一般の人々は胡麻の代用品として荏胡麻を普段から食べていたそうです。 昔はお金がなくて荏胡麻を食べていたようですが、現在では荏胡麻油が身体に良い、ということで健康マニアの人々にも人気があるようです。
また荏胡麻は食用にだけ用いられてきたのではなく、和傘の油や印刷用インクなど工業用にも利用されてきました。 胡麻風味を楽しめるだけでなく健康にも良い、そして食べるだけでなく人々の生活にも役立ってきた荏胡麻はなかなか素晴らしい食材だと思います。
ですが最近では大規模に栽培されていないようで、小規模に自家用としてだけ栽培されるだけのようです。 つまり今ではあまりお目にかかることもなく、たまにお土産コーナーで販売しているのを見かける程度の荏胡麻です。
洗い胡麻というものもありますが、こちらは正真正銘胡麻の1種です。 洗い胡麻とは水洗いして乾燥させた状態の胡麻、そこから焙煎していない胡麻の呼び名で間違いなく胡麻であります。 種類というよりも状態を表す名称なのですが、最近ではあまり見かけなくなったので知らない人も多いかもしれません。
そもそも胡麻について詳しい人も少なく、胡麻といえばただの胡麻しか思い浮かばない人がほとんどだと思われます。 料理が好きな女性でなければ、若い人だと荏胡麻や洗い胡麻の名称を一度も耳にした事が無い、という人も少なくはないのでしょうか。 この洗い胡麻も家庭で食べる場合は煎ってからになるのですが、自分の家で胡麻を煎る人も、そのような習慣を持つ家庭も少なくなり普段は聞くことのない名前になりつつあります。 すでに焙煎された胡麻のほうがお手軽ですし、スーパーで売られているのもほとんどが焙煎済みの胡麻でしょう。
ここで気になるのが、白胡麻と黒胡麻ではどちらが身体にいいのか、健康のためにはどちらの色が良いのか、ということです。 白胡麻の花は白色をしていて黒胡麻の花は薄い紫色と、種類が違うのははっきりしていますが、実は皮を剥くどちらも同じ乳白色をしています。 そして黒胡麻のほうが栄養があると思われていますが、実際にはどちらもほとんど変わらないそうです。 ですので栄養的にはどっちが良いかとは考えず、料理に合わせて選んだり単純に自分の好みで黒胡麻か白胡麻かを選択すればよいでしょう。
今は手元に白胡麻しかないからこっちを使おう、といった簡単な理由で胡麻の色を決めてしまってもなんら問題はありません。 賞味期限の長い食材でもありませんので、開封している胡麻から優先的に使っていく、という理由でも充分です。
白胡麻にするか黒胡麻を使うか、それは今手元にどっちがあるかで決めてしまえばいいので、難しく考えることもありません。