胡麻という植物

身体にも良く、多くの料理に使われる

胡麻団子のイメージ

胡麻は色々な料理に使われていますので家庭だけでなくレストラン、中華料理屋、ラーメン屋、料亭など多くの場所でも見かけるでしょう。
ですが実際に胡麻がどのように栽培されているのか、加工されているかという事はあまり知られていません。 家庭菜園で胡麻を栽培している人もあまりいませんし、山道を散歩しても胡麻の花だ、と指差すこともありません。 なので胡麻の花がどんな花なのか、どんな実をつけるのかを知っている人は、農家でもない一般人の中にはほとんど皆無なのです。
胡麻の歴史はとても古いようで、紀元前3千年以前よりアフリカのナイル川流域で栽培されていました。 エジプトのピラミッドや遺跡からも胡麻が出土しているので、相当昔から人々の生活に深く関わってきた植物なのでしょう。 当時の胡麻はとても高価だったそうで銀貨がわりに使われることもありました。 当時から栄養満点であることも知られていて胡麻の価値を高めていたのでしょう。
このように胡麻の栽培はアフリカが起源となるのですが、その後陸路で中国へと渡りやがて日本へ入ってきます。 初めて胡麻を食べた日本人はきっとその味と栄養に大喜びしたことでしょうが、縄文時代には日本でも胡麻を食べる文化があったようですので初めて胡麻を食べた日本人はその時代の人達(縄文人)だったと考えられます。
このように胡麻は日本でも古くから親しまれ食生活の中に溶け込んできたのですが、胡麻がどのようなものかを詳しく知っている人は少ないようです。 胡麻の名前の由来を知っている人も同じように少なく、漢字で「胡麻」と書くことが出来ない人もきっといるでしょう。 胡麻の名の由来は中国からの伝来によるとされます。 古来中国では西の地域は「胡」と呼ばれており、その胡の国から来た種子であるので胡麻の「胡」が、そして形が麻の種子に似ていることから「麻」が、その2つが合わさって日本でも胡麻と呼ばれるようになったそうです。 普段から何気なく口にしている胡麻ですがこの由来を知っている人はあまりいません。
もしみんなが集まる胡麻を使ったパーティーがあったら、是非この豆知識を披露してみましょう。 胡麻に興味の無い人や胡麻アレルギーの人の反応はあまり良くないかもしれませんが、何人かは耳を傾けてくれるでしょう。 多くの料理に使われる胡麻ですがメインになる機会はほとんどない食材ですので、何人かの興味を惹くことができるだけでも上出来です。
由来だけでなく胡麻の知識として身につけておくべきなのは、植物としての分類でしょうか。 胡麻は胡麻科の植物で学名はSesamumindicumになります。分かりやすくするとSesamum(ゴマ属)indicum(インドの)という意味を持つ学名です。 さらにSesamumはギリシャ語の古名の「zesamm(ごま)」が語源になっています。
初夏頃から花を咲かせ、実の中には約40粒ほどの種が入っています。 ビタミンEをはじめとして栄養も豊富で、色によって黒ゴマ・白ゴマ・金ゴマなどと呼ばれるほどその色も多彩です。 こういった知識は普段あまり役に立ちませんが、植物博士と呼ばれたい、グルメを名乗りたいのであれば覚えておいて損はありません。