胡麻の収穫

胡麻はどのように収穫されるのでしょうか

胡麻の収穫のイメージ

名前は誰もが知っている胡麻ですが、どんな風に栽培するのかはあまり知られていないでしょうし、どのような花を咲かすのか、いつ頃花を咲かすのか、どのような実をつけるのか、実物を見たことのある人もあまりいません。
胡麻は梅雨前、6月上旬から中旬に種蒔きすることから栽培は始まります。 日差しの強くなる時期よりも前、梅雨入りする少し前の時期です。 種をまいたら一週間ほどで発芽しますが、天候や環境によって発芽が遅い時もあれば早い時もあり、発芽のタイミングは一様ではありません。
どのような植物でも生き物であるので、全てが同じように成長するわけではなく、それぞれ成長の速度は違います。 動物でも人間でも全く同じように育てるということは不可能に近く、同じように世話をして育てても毎年違った成長をするのです。 そこを修正するのは長年の経験によるものですので、毎年胡麻を栽培する農家の方が素人よりも上手に育てることができます。
梅雨があけて7月から8月にかけて胡麻は大きく成長して開花します。 小さな胡麻からは想像できないかもしれませんが、順調に育った胡麻の苗は1メートル以上の丈にまで大きくなります。 もちろんただ育つがままに任せては立派に育つわけもなく、雑草を刈ったり害虫駆除をしたり肥料を与えたりと、夏中手間をかけて育成することになります。 植物の成長に水は欠かせませんが、他の農作物に比べて胡麻は必要とする水分が少ない方で、どちらかといえば雨降りよりも猛暑が多いほうが大きく立派に育ちます。 降水量が少ないと不作になる野菜も多くありますが、胡麻はその反対で雨が少ない方が収穫量に期待できるのです。
もし自分で育てよう、庭やベランダの家庭菜園で胡麻作りをしようと考えているなら、水のやりすぎには気をつけて、そして日差しが強い場所で育てることが注意すべき点になるのを覚えておきましょう。 枯れないように水をやらなきゃ、日光がこんなに強くては弱ってしまわないか、と過保護になりすぎると逆に胡麻の育成を妨げることになってしまいます。
人間にとっては厳しい日差しでも胡麻にとってはきっと心地よい暑さなのです。
暑い夏に開花する胡麻の花は、白胡麻なら美しい白い花を、黒胡麻なら妖艶な紫色の花を咲かせます。 そして花の下の鞘の中に胡麻の実が実ります。
暑い夏も終わりいよいよ収穫の時期となるのが9月です。 収穫するタイミングの目安は、茎の真ん中位までの葉や茎が黄色く変化した頃で、弱ってくるというか植物としての寿命が近づいてきた雰囲気を感じるようになれば、胡麻の収穫に着手する時期となります。
鞘の部分も黄色くなってきますので、この機を逃さず収穫しましょう。 収穫に備えて余計な葉っぱを先に取り除き、茎と鞘だけにしておきます。 茎と鞘だけの胡麻を刈り取って束ねて雨の当たらない場所で乾燥させます。
乾燥するにつれて鞘から胡麻の実が出てきますので、飛び散らない場所で乾燥させ上手に回収できるようにしましょう。 その後に洗浄して胡麻についた汚れや不純物を取り除き乾燥させます。 この作業がなかなか大変で、専用のマシンがあればよいのですが個人でそれを準備するのは金銭的にも難易度の高い話になるので、家庭菜園規模なら手作業で根気よく行うことになるでしょう。